(無)生産製作所

ただただ書きまくるだけの愛すべき書き捨て場

私は時々妖怪になる。

妖怪とはデジタル大辞泉によると
人の理解を超えた不思議な現象や不気味な物体。想像上の天狗、一つ目小僧、河童など。化け物。
とある。私の場合は、特に《人の理解を超えた不気味な存在》になるところが妖怪に変化しているところだ。


フェスやライブが好きで毎年必ず参戦している。
日常生活で、感情を爆発させるようなことがあまりないので、ライブなどに行くことで、自分の中に滞っている、なにか分からないストレスや苛立ち、期待や不安に似た感情を発散させているのだ。

だが、ライブやフェスの日まで感情を留めておくことが出来ないとき、ストレスフルになったとき、凄く興奮しているとき、私は時々妖怪になる。

深夜に突然皿洗いを始める、妖怪皿洗い。
1日中、部屋や布団にコロコロをかけ続ける、コロコロさん。
気が済むまでリコーダーを吹き続ける、笛吹き妖怪。
イヤホンで音楽を聴きながら1人モッシュを始める、擬似フェス体験妖怪。
とまあ、様々な形態で姿を現わす。
(ネーミングセンスが来い。)

カラオケやスポーツではなぜかうまくストレス発散出来ないのだが、妖怪になってなにかに熱中している時と、フェスに行ったときだけは、いままで何事もなかったかのように、心がすーっと軽くなるのだ。

しかも、妖怪から目が覚めた時、すっかり気持ちが落ち着いていて、程よい疲労感と眠気に襲われる。
抱えていたストレスや不安といった負の感情の存在が少し小さくなったような気がする。

明日も頑張れ。生きるのだ。生きていれば、好きな本が読めるし、好きな音楽が聴ける。しこたまお酒も飲めるし、美味しいご飯を探しに行くことも出来る。
ネガティブな感情一切なしで、そんなことを自分に言い聞かせることができるようになる。

何かの本で読んだのだが、人間はノンストレスでは生きていけないそうだ。
刺激が無いと生きていけないくせに、ストレスフルになると死にたくなるなんて、なんとも厄介極まりない。

楽しいストレス生活を送ることが出来るなら、これからも時々私は妖怪になろう。
フェスやライブに行くより出費もしないし。自分の体さえあれば完結することができる。
妖怪皿洗いに関しては、家事を嫌がらずに1つクリアしてるので、是非毎日出てきてほしいところである。